「水を飲む」ことから始める環境保全

みなさんはmymizu(マイミズ)というアプリをご存知ですか? マイボトルに無料で水を入れられる場所を手軽に探せるアプリで、日本全国のカフェやレストラン、公園など約1万3,000か所が「給水スポット」として登録されており、すでに40万人以上が利用しています。また、自分の給水記録を残したり、利用者全体でどれぐらいペットボトルの使用本数を減らしたかを確認したりすることもできます。
このアプリを運営するのは、「給水で、サステナブルがあたりまえな世界に」を目指す「mymizu」。メイスイは、その母体である一般社団法人Social Innovation Japanの活動を支援しています。今回は同団体の共同代表を務めるマクティア マリコさんに、mymizuアプリやメイスイとともに描く未来についてお話を伺いしました。

2017年に設立された一般社団法人Social Innovation Japan。マクティア・マリコさん(左)とルイス・ロビン敬(たかし)さん(右)が共同で代表理事を務めています。

日本の水はおいしいのに……

mymizuが生まれたきっかけは、マクティアさんと共同代表のルイス・ロビン敬さんが沖縄を訪れたときのこと。美しい浜辺にたくさんのプラスチックごみが打ち上げられており、その多くがペットボトルだったといいます。
「日本はおいしいお水が飲める国なのに、それを飲むための容器が大量のごみになっているのはおかしい――日本は物を大切にする国、もったいないという精神も根づいているのに、それが十分に生かされていない……」、とマクティアさんは考えました。

日本のペットボトルのリサイクル率は世界最高水準にあり、容器の軽量化を図るなどしてPET樹脂の使用も減らしています。しかし、その一方でペットボトル自体の国内販売本数は増え続けています。

ふたりは日本だけでなく海外での生活も長く、さまざまな価値観に触れてきました。その経験を生かして日本でサーキュラーエコノミー(循環型経済)を広める活動をしていましたが、ワークショップやイベントで企業の担当者からよく聞くのは、日本の顧客が「よりサステナブルな選択肢」に関心がない、または関心があるとしてもまだ少数である、という悩みでした。
そこで、より多くの人にサステナビリティに関心をもってもらうため、誰もが気軽にできて最初のアクションの一歩となるものはないかと考えて誕生したのが、日本初の無料給水アプリmymizuです。
「おいしいお水を使い捨て容器なしに楽しめる未来をつくろう」、と仲間と一緒にマクティアさんは開発を進めました。

mymizuアプリ。自身の給水記録やペットボトルの低減本数が表示され、マップを開くと近くの「給水スポット」の詳細な情報を見ることができます。
2019年9月のサービス開始以来、無料でお水を提供してくれる給水パートナー(飲食店や美容室など)も増えています。給水パートナーに登録している店舗や施設にはmymizuのステッカーが貼ってあります。

mymizuとメイスイの出合い

マクティアさんがメイスイと出合ったのは2020年のこと。mymizuを広める方法を模索している最中に、あるイベントでメイスイの社員と出会い、そこから永井秀樹(メイスイホールディングス代表)と知り合うことになりました。
「永井さんは私たちのオフィスに来訪され、自社での浄水器のリサイクルや里山の再生活動などのお話をされました。『自然とのつながりを大切にされている』その理念がとても素敵だと思いました」、とマクティアさん。
また、あるときメイスイの浄水器を設置している学校を訪れた際に、ふと思うことがあったそうです。
「私は、何かが『当たり前』になるには、それが美しかったり、もともとそこにあるものだと感じられたりすることが大切だと思うんです。メイスイさんの製品は建物に溶け込むようなデザインで空間と調和しているから、自然とたくさんの人がそれを利用し、それが使い捨て容器低減の実現につながっていくのだな、と。環境に対する強い思いに共感するとともに、私たちもmymizuに情熱を注いでいましたので、まるで仲間のような親しみを感じました」、とにこやかに話してくれました。

おたがいに「うれしい輪」を広げたい

「mymizuとメイスイで何か一緒にできたらいいね」、とゆるやかな交流が続くなかで、2022年に両者はサステナブルな社会の実現に向けて戦略的パートナーシップを結びました。そして自然の恵みである「水」をテーマに、ペットボトルに入った水の代わりに浄水器の利用を広め、給水が当たり前の社会を実現して使い捨て容器を減らすというミッションにともに取り組んでいます。
たとえば、mymizuアプリの「給水スポット」が増えていくなかで、カフェのオーナーが手軽に水を提供できる仕組みを求めている場合にはmymizuがメイスイを紹介し、メイスイが飲食店のお客さまのもとを訪れる際にはmymizuの活動やアプリを紹介するなど相互に連携しています。
また、日本最大級の宿泊・飲食業界向けの展示会である「国際ホテル・レストランショー」では、メイスイのブースがmymizuの臨時「給水スポット」となって、おいしい浄水を提供しながら業界の関係者にプラスチックごみ低減の重要性もアピールしています。
「同じ目的のために情報を共有するなど力を合わせて、どちらも幸せになる相乗効果のある関係でありたいと願っています」、と語るマクティアさん。
mymizuとメイスイは、「水を飲む」という毎日の行動を通じ、サステナブルな社会がさらに進展する未来を目指して活動の輪を広げています。

国際ホテル・レストランショーのメイスイのブースにて。mymizuのスタッフ(左右)とメイスイの社員が多くの来場者に情報発信しました(写真はHCJ2022年)。

動画「給水から広がるコミュニティ」の制作も活動の一つです。

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