井澤由美子の食文化探訪 Vol. 1「酢」とレシピ

伝統食品 酢を使ったおいしいレシピ

料理にうま味やコクを足したいときや、塩分が気になるときに酢を加えると満足感が得られる味になります。酢にはさまざまな種類があり、それぞれに味や効能が違います。
日本ではなじみ深い米酢・純米酢は米が原材料で、日本食をはじめとしてお料理にも扱いやすく、黒酢は米酢に比べてアミノ酸が多く、また利尿作用もあります。果実酢では、ろ過されていないリンゴ酢が人気で、これは「にごり酢」の一つです。柿酢は風味がよく、とくに熟成酢は素材を品よく生かし料理を楽しめます。
普段は米酢をお使いのかたも、味や香りの異なる酢でアレンジ料理を楽しんでください。

常備調味料! 薬膳酢

昆布に含まれるカルシウムは体に吸収されにくいですが、酢の酢酸と結びつくと酢酸カルシウムに。体への吸収率がアップして、骨の健康を守ってくれます。

材料(作りやすい分量)

酢 …… 200cc(1カップ)
昆布 …… 10g
クコの実 …… 10~20粒

◎ 作り方

  1. 空き瓶などに材料をすべて入れ一晩置く。
    *常温で長期間の保存が可能ですが、昆布が必ず液体の中に漬かっているようにしてください。
    *昆布でうま味のアミノ酸が増すので、使うのは普通の酢でOK!

[Point!]

清潔な空き瓶を使用するようにしてください。ふたが鉄の場合は、ふたと瓶の間にクッキングシート(オーブンペーパー)などを挟むと酢によるふたの酸化を防いでくれます。

薬膳酢のキャロットラペ

材料(3~4人分)

薬膳酢 …… 大さじ1
ハチミツ …… 小さじ1
ニンジン …… 1本(130g)
薬膳酢中の昆布 …… 1枚
薬膳酢中のクコの実 …… 3~4粒
塩 …… 2つまみ(塩もみ用)

◎ 作り方

  1. ニンジンを細切りにし(スライサーを使ってもOK)、塩を加えてもみ込む。
  2. 昆布を細切りにしておく。
  3. 1のニンジンをぎゅっと絞って2と合わせ、さらにその他の材料を加えてなじませる。お好みでオリーブオイルを垂らしても(分量外)。

[Point!]

薬膳酢の昆布やクコの実も活用!クコの実はスーパーフード。生薬のプリンセスと呼ばれ、抗酸化に優れています。また、酢を入れることによってニンジンのビタミンの吸収がよくなります。

デトックスドリンク!
スウィッチェル

抗菌作用が高く、昔から風邪を引いたときなどの薬として飲まれてきました。花粉やウイルスが気になったり、風邪気味かもと思ったときなどに飲むとよいドリンクです。お好みで季節のハーブやスパイス、ユズやレモンなどの柑橘類を加えてオリジナルのスウィッチェルに。牛乳で割るとヨーグルト風になります。

材料(1杯)

水、炭酸、お湯など …… 180cc
にごり酢 …… 大さじ1程度(お好みで)
ハチミツショウガ …… 大さじ1程度(お好みで)

◎ 作り方

  1. ハチミツショウガを作り置きする。ショウガをたわしなどで洗い、皮ごと薄切りにして、瓶などに入れてかぶるくらいハチミツを入れる。ショウガはおろして入れてもよいが、スウィッチェルにしたときににごるのでお好みで。かき混ぜるとハチミツがゆるくなって扱いやすくなる。常備しておけばさまざまに活用できる。
  2. 酢と1を、1:1を目安に(お好み)で混ぜ合わせ水などで割る。

    *米酢、黒酢やリンゴ酢などの果実酢を使用してアレンジを加える場合は、ハチミツショウガの量を調整してお好みの味にしてください。

[Point!]

酢、ハチミツ、ショウガは整腸作用や温活に効果があります。ハチミツに漬けたショウガはそのまま食べてもOK。ホットでは、クローブやシナモンを加えてお湯やお酒で割ると、さらに体が温まり、温活効果が高まります。

美肌効果あり!
酢を固形にしていただく
シーフードと季節野菜のジュレ

材料(3~4人分)

【A】
水 …… 300cc
鶏ガラスープの素 …… 大さじ1
酢 …… 大さじ2~3
塩 …… 小さじ1~1.5
てんさい糖(砂糖) …… 大さじ2

ゼラチン …… 板5枚
エビ …… 中2~3尾
タコの脚(小) …… 1本
ミニトマト …… 5個
パプリカ(中) …… 半個
グリーンピース …… 数粒(5粒程度)

◎ 作り方

  1. 板ゼラチンはたっぷりの冷水に5分浸してふやかし、Aを小鍋に入れてひと煮立ちさせ粗熱をとる。
  2. 野菜は食べやすい大きさに切り、硬い野菜は塩ゆでして冷水に放ち、ザルに上げる。エビとタコも食べやすく切る。
  3. 2を清潔な容器に入れ、1を注いでふたをし、2~3時間ほど冷蔵庫で冷やす。
  4. 3をスプーンですくって器に盛る。お好みでマヨネーズやレモンを添えれば味変にも。

[Point!]

ゆでたキャベツを下に敷いて冷やし固めて、そのまま切ると映え料理に。型抜きを使って盛り付ければおもてなし料理にも。

疲労回復に期待!
手羽元と根菜の酢煮込み

材料(3~4人分)

手羽元 …… 12本
大根 …… 500g
レンコン …… 130g
ショウガ …… ひとかけ(皮付き)
半熟卵 …… 6個
ごま油(炒め用) …… 小さじ2

*根菜はゴボウやニンジン、カブなど好きなものを入れてもよい。

◎ 作り方

  1. レンコンは皮付きのまま半月切りにし、水にさらしてザルに上げる。大根は縦半分に切って3等分にし、ショウガは皮付きのまま薄切りにする。手羽元は水気をふき、骨の脇に軽く切り込みを入れる。
  2. フライパンにごま油を入れ、1を加えて表面を焼き、全体に油がまわるまでしっかりと炒めたらAを加えて中火で20分ほど煮込む。
  3. 半熟卵を加えて弱火で3分ほど温め、器に盛る。

[Point!]

骨付き肉や魚を煮るとき酢を入れると食材が柔らかくなります。また骨からカルシウムが溶け出して栄養価も上がり、食べるときには身離れがよくなります。さらに酢が入ることで腸活やダイエットにも役立ちます。

井澤由美子 IZAWA Yumiko

いざわ・ゆみこ●料理家、調理師、国際中医薬膳師・国際中医師。身体を健やかに保つ発酵食や薬膳に詳しく、美容や健康に良いレシピを数々提案。日々に役立つシンプルなレシピにファンが多い。体を潤す企業商品開発を多く手がけ、NHK『きょうの料理』『あさイチ』などの料理番組にも出演。著書多数。近著に『まいにち食薬養生帖― 365日の食が心とからだの薬になる』(リトルモア)など。

写真●津留崎徹花 文●編集部

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